20170809

模藍少尉さん




ジャパン(というバンドが昔英国にいたのです)のでかくて分厚いバイオグラフィ翻訳本を読み終わる。ジャパンは大好きなバンドのひとつで、一年に一回は腰を据えて全アルバムを聞き返すほどなんだけど、バンド内で何が起こっていたのかは大ざっぱなことしか分かっていなかったので、この本はとてもためになった。

ドラムのスティーヴ・ジャンセンはYMO時代のユキヒロさんではなくて、UKツアー('75年)中のミカバンドでドラムを叩いていたユキヒロさんを偶然に見て、強く影響されてジャストタイムでタイトに叩くスタイルを身につけたらしく、「ハードロックやグラムの時代にその対極にあったユキヒロさんのドラミングに憧れるなんてジャンセン流石やわあ」と感心しつつ「だから全く売れなかったんだな」と妙に納得もした。

もしジャンセンがファンキーでパワフルなドラムを叩いたら/叩けたら、ミック・カーンのうねるベースとドンピシャに合ってしまったわけで、そうなるとジャパンはただの演奏がうまいホワイトファンクバンドで終ってしまったかも知れない。やっぱミック・カーンのベースが浮いてこそのジャパンである。そこにシルヴィアンのねちっこいボーカルが絡む。ギタリストは常に空気で(実際4thで消える)、キーボーディストの貢献は大きいけれど何度覚えても名前も顔も忘れてしまうほど印象が薄い。これがジャパンだ。

1stから5th「錻力の太鼓」までわずか3年半。とんでもないスピードでバンドの音楽性が進化&深化していく。このスピード、大袈裟ではなくデビューからサージェント・ペパーまでのビートルズと匹敵していると思う。5th以外は全然売れなかったけど、どのアルバムも驚くほどにまったく古びていない。どころかむしろ現代のどのバンドよりも新しい。再評価は今後ますます進むだろう。

ところでジャパンは日本と深い関係にあったバンドで、この本にも多くの記述が出てくるわけだけど、原著だとジャパンと日本をどうやって書き分けているのだろう。どっちも「JAPAN」だよ。読んでいてとても気になってしまいました。


JAPAN 1974-1984 光と影のバンド全史

JAPAN 1974-1984 光と影のバンド全史

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